セレック治療
セレック(CEREC)とは
セレック(CEREC)はドイツの歯科機器メーカであるシロナ社が開発した、コンピュータ制御によってセラミックの詰め物・被せ物を設計・製作するCAD/CAMシステムです。
すべての技工作業が院内で完結するため、歯科技工士へ依頼する必要がありません。そのため、短期間(最短1日)でセラミックの詰め物や被せ物の治療が終えられます。
セレック(CEREC)は、このような方にオススメです
- 銀歯が気になる方
- 自然な美しい白い歯にしたい方
- 短期間で治療を終えたい方
- 虫歯の再発が心配な方
- 金属アレルギーの方、金属アレルギーが心配な方
- 型取りが苦手な方
セレック治療と従来のセラミック治療の違い
セレック治療 | |
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治療期間 | 最短、1回の通院で終了→最短1日 |
型採り | 無 (口腔内スキャン) |
製作 | 院内で全自動で製作 |
審美性 | 天然歯に近い自然な美しさ |
虫歯の予防 | 短期間で治療が完了→再発のリスクが低い |
セレック(CEREC)のメリット
最短1日で終わる治療期間の短さ
型取りが不要な上、医院で製作ができるため工程が非常に少なくなり短時間での治療が可能です。
●従来の治療方法
型取り→石膏に置き換え→歯科技工所→作製→医院(約1週間)
●セレック
口腔内スキャン→設計・作製(最短1日)
二次虫歯のリスクが少ない
銀歯の治療では、材質上、歯と結合する性質がないため、経年的に歯と補綴物の間に隙間ができ、そこから虫歯になる可能性があります。一方、セラミックは歯と結合する性質があるため、隙間からの虫歯再発リスクを抑えることができます。
高品質で高耐久
厳格に管理された工場で規格生産されたセラミックブロックを使用するため、とても高い耐久性を持ちます。15年後の残存率を調べた臨床研究によれば、通常の治療では約68%なのに対し、セレック治療は約93%と非常に高い結果を出しています。
変色が少ない
セラミックは、レジン(白いプラスチック素材)と比べて着色しにくい性質です。
セレック(CEREC)のデメリット
丈夫だが衝撃には弱い
セラミック全般に言えることですが、セレック治療の人工歯は陶器と同じ素材でできています。丈夫で長持ちする素材ですが、強い衝撃が加わったときに、割れてしまうことがあります。
仮に破損してしまったとしても、患者様のデータはコンピュータ上に保存されているため、修復にはそれほど時間はかかりません。
適応できない症例がある
セレック治療はメリットがたくさんありますが、どんな症例でも対応できるわけではありません。ブリッジに使用する被せ物など、一部の症例についてはセレックを使用できません。
保険が適用されない
セレック治療だけでなく、従来のセラミック治療には保険が適用されません。セラミック治療は自由診療なので、全額自己負担になります。
当院で行うセレック治療の費用
セラミックインレー | 66,000円 |
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セラミックアンレー | 88,000円~ |
セラミッククラウン | 88,000円~ |
※金額は税込価格です。
※高強度・高靱性のセラミックとして注目を集めているジルコニアも対応可能です。
一回の来院でジルコニア修復物をセット可能にするセレック・スピードファイア
セレック・スピードファイアは、セレックシステムで製作したジルコニアブロックを焼結するための歯科用ファーネス(電気炉)です。
ジルコニアという素材は、完全焼結状態では非常に硬度があり加工が困難なため、完全焼結前の比較的柔らかい段階のものを加工し、最後に完全焼結をする方式で利用されていました。
従来の歯科用ファーネスでは、ジルコニアの焼結は数時間ほどかかっていましたが、セレック・スピードファイアは最短10分で焼結を完了しますので、加工に掛かる時間や治療に掛かる時間も大幅に短縮できます。
セレック(CEREC)治療の流れ
●STEP1 口腔内のスキャン
口腔内スキャナーで、口腔内を撮影します。小型の機械をお口に差し込むだけで、非接触のスキャンができます。
従来の印象材を使った型取りは必要ありません。
●STEP2 修復物の設計
スキャンして取得したデータを元に、詰め物・被せ物を設計します(CAD)。
●STEP3 修復物の作製
設計図を元に、セラミックブロックを削り出し、詰め物・被せ物を作ります(CAM)。
●STEP4 口腔内にセット
完成した詰め物・被せ物を口腔内へとセットし、治療は終了です。
ドイツでの調査によると、セレック修復物の10年後残存率は95%です(銀歯は55%)